転職活動を成功させるためには、書類選考を通過して、一次面接・二次面接・最終面接という難関をクリアしなくてはなりません。ポジション(役職/部署)や給与額、福利厚生面に関する交渉は、選考の中でも最初に挑戦する書類選考で落ちている状況があると届かぬ目標地点でしかありません。
書類選考で落ちた場合、企業側(=採用担当者)からは個別に『不採用の理由』に関して連絡を受信することは無い為、書類が通過しない状況が続いたとしても軌道修正を図ることが困難になります。一体、自分の履歴書と職務経歴書の内容では、何が悪いのか具体的に知りたいという人は多いのではないでしょうか。
転職エージェントを利用すると、書類選考の対策として『履歴書の書き方』と『職務経歴書の書き方』について、ご自身が初回に作成した内容をもとに添削を行ってくれるので、まだ転職エージェントに利用登録していない人は転職エージェントの記事を参考に、今回の転職活動を期に自分に合う人材紹介会社を探してみましょう。
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書類選考で落ちる履歴書と職務経歴書の共通点
そもそも書類選考と言っても、企業側(=人事担当者)が目を通すのに要する時間は30秒~1分間と、極めて短い時間で判断されるので履歴書と職務経歴書には「目に留まる内容」が必要不可欠であると言われています。書類選考で落ちる人の共通点として『内容の具体性』『過去に上げた特筆すべき実績』『職務履歴の中で具体的に学んだこと』『職務内外で得た知識やスキル』『取得した資格』などが端的かつ明快に読み取れる文面になっていないという点が挙げられます。
履歴書と職務経歴書は、書類選考の段階を通過しても、次の一次面接や二次面接、そして最終面接を担当する面接官が目を通すということを理解しておく必要があります。あくまでもゴールは内定獲得なので、書類を作成する際には、会社の重役が目を通したときに「お!これはうちの会社に欲しい人物だ。」と感じ取ってもらえる内容である必要があります。
個々人の努力の痕跡が瞬時に確認・把握できる状態であることが何より重要であるということが言えます。特に、30代前半~40代前半の方は、実績や経験・スキルに魅力を感じさせることが出来ない段階で、書類選考を通らないと考えた方が良いでしょう。20代ならポテンシャル採用という選択肢もありますが、30代、40代は次の転職先の職場において経験とスキルを如何なく発揮できる状態である必要があるので、記憶を辿りながら知恵を絞ってひねり出してください。
落ちる履歴書の書き方<共通点>
転職エージェントとして活躍されているプロのキャリアコンサルタント曰く、書類選考で落ちる方の履歴書には共通点があり、採用活動をしている企業では瞬時にスクリーニング(=選別)されてしまうとのことです。書類選考で不採用の烙印を押されっぱなしでは、次に進むことなどできず、延々と時間ばかりが過ぎてしまい転職が実現する時期も後ろ倒しになってしましますので、以下、各項目についてこと細やかに解説することでリスクを回避の判断材料としてもらいたいと思います。
履歴書のテンプレート(フォーマット)選び
履歴書のテンプレートはインターネット上に数多く転がっています。また、書店やコンビニエンスストアに行けば、多数の履歴書が雇用形態別や職歴数別といったタイプ別に陳列されているので、選ぶ際には注意も必要になってきます。中にはひな形が同封されているものもありますが、あくまでもご自身の経歴にあったもの且つ、転職者向けのテンプレートを選択するようにしましょう。(パート/アルバイト/派遣社員向けもあるので選ばないように注意してください。)
※.履歴書にはJISで定められた規格があるので適合品を選んでください。
手書きとパソコンはどっちがいいの?
履歴書を書く際、手書きで書くほうが心がこもっていて良いとされる風潮は確かにあります。しかし、履歴書を受け取る側(=企業の採用担当者)の気持ちになってみると、手書きでも「綺麗で美しく整った字」と「汚くて雑然とした字」では、第一印象がガラッと変わることは言うまでもないでしょう。そのため、筆心に自信のある方には手書きを、文字の美しさに自信が無い方にはパソコンによる執筆をおススメします。(達筆すぎるのも乱筆になりかねないので要注意)
日付は西暦or和暦どっち?
履歴書の日付欄は「西暦」がいいのか「和暦」がいいのか悩んだご経験はありませんか?また、履歴書に記載する日付とは、一体いつの日付を書くべきなのか悩んだ方は、多いのではないでしょうか?
西暦で書くか、和暦で書くかの答え
日頃、様々な書類で記入する日付の多くは、西暦(例:2017年4月1日)ですが、転職活動で書く書類は『全て和暦で統一』するという暗黙の了解があるので、予め知っておきましょう。
いつの日付を記入するかの答え
履歴書に日付を書く際は、書いた日付ではなく、企業に持参する日付、または郵送やメールで送信する日付を記入するようにするのが正しいです。手書きで書き置きしていて、改めて一から作成するのが面倒であるので、ついつい書いた日付のまま使いまわしてしまうという方が少なくありません。そんな方は注意しましょう。あなたの面倒くさがりな性格がもろに現れてしまいます。
住所「ふりがな」はどこまで書く?
住所を書く際、よくあるハガキで同じ都道府県内や市区町村内に送る郵便物の場合、市区町村名から記入を開始することがありますが、選考用の書類に住所を記載する際には、都道府県名から下記かじるのが一般的です。また、「ふりがな」については、マンションやアパート名までは振るようにしましょう。(常に採用側向け)
印鑑はシャチハタを避ける
履歴書には印鑑を押印する欄があります。使用するのは、シャチハタ(=スタンプ式)を避け、認印といわれる象牙などで作られ朱肉を使うタイプのものを選択してください。押印の際には、必ず履歴書の背面に捺印マット(=主にゴム製)を置き、印字が綺麗に出るようにして、印鑑が斜めになってしまった場合には訂正線は入れず、書き直しを行って最良の出来栄えのものを選択してください。
※.斜めのまま送るとガサツな性格として読み取られます。
証明写真はスタジオで撮ってもらう
証明写真は、スマホやデジカメで撮影したものは、見栄えも悪くなりがちでパッと見て『手抜き』がバレてしまうので、ガサツな性格と判断され書類選考で不利になります。履歴書に貼る証明写真はプロがいるスタジオで撮影してもらい、プリントしたものと、データの両方で受け取るようにしましょう。服装については、暗めの単色スーツ、落ち着いた柄とトーンのネクタイ、白いワイシャツ/ブラウスを着用するようにしましょう。スピード写真は暗くなる傾向があり、顔の向きや表情、服装など身だしなみについて指摘してはくれないので利用はお勧めできません。
学歴は高校から記載すること
学歴について。小学校、中学校を学歴記入欄に書く人がいますが、これは10代のアルバイトまでで、社会人が正社員として転職活動する際には『高等学校から大学など最終学歴まで』を記載するのが常識化しています。このような部分で、ご自身の常識度合いが測られては、非常に勿体ないので高等学校以降を記入しましょう。(中退者の方は、素直に中退と書き、自己PR欄に中退経験をもポジティブに変えてしまう内容を検討して記載しましょう。)
職歴に社保なし雇用を記載しない
職歴に関しては、極端に早期離職が重なっている人、転職回数が多いという方は『社会保険に加入した社歴のみ』を記載。転職回数は少ないが、3年未満で退職している場合でも、アルバイトとパートなど非正規雇用は記載しないようにしましょう。職歴が心細い場合でも、無理に職歴を探して記載することは、逆効果になる場合が多いので正規雇用を中心に、やはり健康保険・厚生年金に加入した企業だけを記載してください。
評価される資格のしきい値
TOEICのスコアは650点から
折角、資格試験に合格したのなら、履歴書に書かないという理由はありません。ただし、TOEICについては650点未満は、ほとんど英語力が無いということになるので、書かないほうがいいでしょう。特に、国際営業職(=海外営業)であれば、850点以上の人はザラにいるので不安がある人は、今のうちにスコアアップのために勉強して再受験することをお勧めします。
MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)
専門学校や大学に在学中の学生さんが取得する資格で最も多いのがMOS検定。新卒で就職活動をしている際には有利に働くことがあるのは事実です。ところが、転職する人でMOS資格を保有する場合、実務経験が必要となるということが殆どであり、実際の業務にてエクセル/ワード/パワーポイントといったオフィス統合ソフトを用いた業務を行ったことがない人はプラスの加点を受けにくくなり逆効果になったりもします。
今から取るなら!この資格がおススメ
戦略的に転職活動を進める上で、次にどんなキャリアを重ねたいか、資格マニアのように一貫性がない場合、ビジョンを疑われる危険性すらありますので書く資格は、履歴書を送付する企業で役立ちそうなものをチョイスするというのも重要です。これから取るならこんな資格がおススメです。
- 簿記検定
- 社会保険労務士
- 中小企業診断士
- 税理士
- 宅建(宅地建物取引主任者)
- ファイナンシャルプランナー
- 情報処理技術者
- 公認会計士
- 行政書士
- 教員免許状
上記の資格は、全て1年以内の学習期間で取得する人が多い資格で、仕事ですぐ役立つものばかりを選びました。業界内でしか使えない民間資格や認定書は、履歴書に書くことはできますが、採用担当者が書類選考する際に「難易度」「凄さ」が分かりにくいことがあり、評価に値するかの判断に困ってしまいます。
自由奔放な趣味は書かない!
趣味は個人の自由です。余暇の使い方も個人の自由であることは当然の権利です。ただし、あなたを採用するかしないかは、企業側(=採用担当者)が決めることであり、あなた自身に裁量はありませんし決裁権もありません。そのため、自由奔放な印象を与える趣味の名称、よくある「映画鑑賞」「読書」のような無難な回答は、逆効果になる場合もあるので注意しましょう。
※.プログラマーの方はネトゲーで『同じタイトルを〇年プレイ中』が逆に強みになるケースもあります。
特技を書ける履歴書ならここがツボ
特技欄は、あなたの性格特性がもろに現れる入力欄です。書類選考で落ちる人の共通点として『特になし』や『空欄(=無記入)』としている傾向がありますが、特技の欄がある場合には、記入しないというのは勿体ないことであり、あなたのアピールポイントが特に無いということになってしまいます。
特筆すべき特技がない場合は、入力欄自体が無い書式(日本法令 注文番号:労務12-13/労務12-14)の履歴書を選ぶことで、入力自体を行う必要が無くなるので、その分、他の欄でポイント稼ぎすることに注力できます。
一方、書ける特技があるという人は、『強み』『努力の痕跡(根気強い性格)』『勉強中(継続性)』を瞬時に把握してもらえるよう、端的かつ自然と自己PRにも繋がる内容とし、面接にたどり着いた時には明快に説明ができる特技を選ぶようにしましょう。面接官はこの項目であなたの性格を読み取ろうとするということを念頭に、キャリアとの一貫性を持たせるように考えましょう。
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