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しろくま電力の太陽光発電/蓄電池関連の実績が評判!再エネの課題とは?

最終更新日:2024-11-11
しろくま電力の太陽光発電/蓄電池関連の実績が評判!再エネの課題とは?

しろくま電力(しろくまぱわー)は、太陽光や風力といった自然エネルギーを使って発電したグリーン電力で評判になっている会社です。

しろくま電力は、かつては株式会社afterFITという社名でFIT制度(固定価格買取制度)を活用した事業を行っていました。

しかし、現在は電力市場価格よりも安い再エネ電力を作れる世界が目前に迫っていて、新しくしろくま電力として、グリーン電力を自ら作って自ら届ける電力会社へと転換しました。

本稿では、評判になっている新事業やこれまでの太陽光発電/蓄電池関連の実績、資本金や売上高、特定卸供給事業者(アグリゲーター)認定など、しろくま電力について詳しく調べています。

再エネについての現状や課題などについても紹介していくので、地球環境問題やエネルギーについて興味を持っている方はぜひ御覧ください。

※当コンテンツはアフィリエイト等を目的として、試供品または取材費をいただいて記事を掲載しています。
この記事でわかること
  • しろくま電力株式会社の概要と社名変更
  • 発電所の設計開発から電力小売までの一貫体制
  • しろくま電力を支える5つの重要事業
  • 太陽光発電施設やCO2排出量削減の実績
  • グリーンエネルギーの課題としろくま電力の取り組み
  • しろくま電力の将来性が見えるデータ
  • 特定卸供給事業者(アグリゲーター)認定について

しろくま電力株式会社とは

しろくま電力株式会社とは

しろくま電力(しろくまぱわー)株式会社は、東京都港区芝大門に本社を構え、谷本貫造さんが代表を務める電力会社です。
2024年2月までは株式会社afterFITでしたが、3月1日からは社名をしろくま電力株式会社へと変更しています。

事業は、2016年の創業以来、大規模太陽光発電所の開発、設計・施工から運用・管理までを執り行い、2021年からは電力小売事業にも参入し、2023年からは一般家庭向けの電力供給も始めました。

電力小売事業の特徴としては、個人・小規模法人向けのプランで大手電力会社よりも最大25%安く、大規模法人向けでも市場価格と連動した市場連動型や、基本料金と電力量料金を大手電力会社より安く設定した固定単価型プランを展開し、法人の電気代削減に貢献しています。

国内拠点

国内拠点は、えりも支店(北海道幌泉郡えりも町字大和)、岡山支店(岡山県津山市一宮)、香川支店(香川県丸亀市三条町)、福岡支店(福岡市博多区豊)があり、日本各地で太陽光や風力から発電したグリーン電力を販売しています。

また、東京電力や関西電力、九州電力といった大手電力会社が火力発電などの枯渇性エネルギーで電力を生み出しているのに対し、しろくま電力は太陽光や風力、バイオマス(生物資源)といった自然エネルギーから発電するグリーン電力に特化した、環境に優しい電力会社として運営しています。

資源が枯渇する心配が無く、環境負荷も低い、再エネの重要性が叫ばれるこれからの世界で、価値のある電力会社として、しろくま電力は発電・送電・売電の電力3事業を展開しているのです。

afterFITからしろくま電力へ

しろくま電力は、2016年の創業時は株式会社afterFITという社名でした。

この旧社名は、電力のFIT制度(固定価格買取制度)を活用し、高い再エネ電力を安く作り、FIT終了後には電力市場価格よりも安い再エネ電力を作って提供するという想いが込められていました。

しかし、2019年からは住宅用太陽光発電の余剰電力買取制度が満了を迎えるケースが出てくるなど、FIT制度は再生可能エネルギーの普及に大きく貢献したのち、現在は終末期にあります。

また、「電力市場価格よりも安い再エネ電力を作る」「不安定な再エネの変動電源を蓄電池やその他の技術で克服し、安定化した上で社会に届ける」といった新しいステージでの事業目標があり、再エネを真に価値あるエネルギーにして届ける存在となる、という意思を明確にするためにも、社名をしろくま電力株式会社へと変更しました。

しろくま電力で評判の一貫体制

しろくま電力で評判の一貫体制

しろくま電力では、大規模太陽光発電所の設計、開発、建設を一貫して手掛けるEPC(=設計・調達・建設)から、オペレーションとメンテナス、グリーン電力の小売までをワンストップで手掛けています。

太陽光発電は、メガソーラーなどの大規模なものから企業の敷地内のカーポートに設置するようなソーラーカーポートまでを作ることができます。

しろくま電力が自社で開発から保守管理まで一貫できるということは、至る部分でロスが生じないということになります。

土地の選定や開発、建設、メンテナンス、売電など、電力開発には様々な工程がありますが、一貫体制により時間的にもコスト的にも無駄がない体制となっています。

しろくま電力の事業内容

しろくま電力の事業内容

しろくま電力は、電力会社として電力小売や発電関連施設の開発、建設、設置などの様々な事業を持っています。
ここでは、しろくま電力として特に重要な5つの事業について説明していきます。

個人・法人向けの電力小売事業

しろくま電力の個人・法人向けの電力小売事業

しろくま電力は個人・法人向けに電力小売事業を営んでいます。

個人・小規模法人向けの低圧電気は、基本料金・電力量料金・再エネ賦課金・電源調達調整費からなり、大手電力会社よりも基本料金と電力量料金が安いので、電気代は大手電力会社と比べて最大25%安くなる可能性があります。

また、法人向けの高圧・特別高圧電気は固定単価型プランで、こちらも大手電力会社と比べて最大25%安くなる可能性があります。
電気料金の内訳は基本料金・電力量料金・再エネ賦課金・電源調達調整費で、さらに激変緩和値引き(政府の実施する電気・ガス価格激変緩和対策事業に基づくもの)でお得に電気を使用することが可能です。

大手電力会社と比べて基本料金と電力量料金が安く設定され、電力量料金が一定というメリットもあります。
また、法人向けの高圧・特別高圧電気では、電気の使い方次第で電気代をさらに削減できる市場連動型プランも提供しています。

長期固定型コーポレートPPA

長期固定型コーポレートPPA

高圧・特別高圧の法人限定のプランが長期固定型コーポレートPPAです。※PPA=Power Purchase Agreement:電力購入契約

法人としろくま電力との間で直接長期契約を結ぶことで、新設した再エネ発電設備で発電されたグリーン電力を長期・固定単価で調達できます
長期固定のメリットとしては、将来の電気代高騰のリスク回避、経費の安定化などがあげられます。

PPAには2種類あり、法人の敷地内に発電設備(ソーラーパネルなど)を設置するオンサイトPPAと、敷地外の発電設備から送電線を使って電力を供給するオフサイトPPAがあります。

駐車場に施工するソーラーカーポート

しろくま電力のソーラーカーポート

屋外の駐車場に屋根を設置して、そこに太陽光発電設備を設けるのがソーラーカーポートです。

太陽光発電所の開発を手掛けていたしろくま電力のノウハウにより、低コストで設置でき、その発電で電気代を減らすことができます

ユニット化されたカーポートは短期間で設置が可能で、片持の2本足なので駐車やドアの開閉がスムーズになり、法人にとっては脱炭素経営をしている環境に優しい会社であることもアピールできます。

再エネを有効活用する系統用蓄電池システム

しろくま電力の系統用蓄電池システム

日本では、電力需給のバランス調整が進み、2021年には1日最大約2GWの再エネ電力が廃棄されていて、2030年には最大約16GWまで廃棄量は拡大する見込みです。
発電した電力を無駄にしないためには、大型の蓄電池に電気を貯めておく必要があります。

また、発電量が天候や時間に左右される太陽光や風力発電といったグリーン電力は変動性が高く、一度系統用蓄電池に貯めてから需給に合わせて放電することも大切です。

しろくま電力では系統用蓄電池の土地探しから設置、運用までをワンストップで手掛けており、蓄電池に電気を貯めておけば、電気代が高くなる夜に放電して収益を得ることも可能になります。

国内最大級規模の建設を計画中の風力発電

しろくま電力の風力発電

風力発電は、日中しか発電できない太陽光発電と異なり、風さえ吹けば24時間発電が可能な発電システムです。

しろくま電力では、北海道・えりも地域で国内最大級規模の風力発電建設を計画し、すでに東北地方の風況の良い適地では小規模な風力発電所の開発を進めています。

しろくま電力には太陽光発電所で培ったノウハウと知見があります。
風力発電でも適地探しから用地確保と土地開発、風況調査、設計施工、エネルギー管理、電力市場での運用までをワンストップで実行できます。

しろくま電力の評判高い実績

しろくま電力の評判高い実績

しろくま電力は2016年創業と若い会社ですが、これまでに複数の評判高い実績を打ち立てています。
ここでは、設置実績、CO2排出量削減実績、自治体での採択実績について紹介します。

カーポート・太陽光発電設備の設置実績

しろくま電力のカーポート・太陽光発電設備の設置実績

カーポート・太陽光発電設備の設置実績としては、ケーヨーデイツーやカインズなどのホームセンター、八千代町市役所などの自治体、那須ガーデンアウトレットなどの大型商業施設など、屋外の広い駐車場に設置実績があります。

また、発電した電気を蓄電しておく系統用蓄電池は、熊本、群馬、栃木、埼玉で導入しています。

スシローへの電力供給におけるCO2排出量削減実績

しろくま電力は、株式会社あきんどスシローが展開する、回転すしチェーン店スシローのうち、中部・中国・四国・北海道エリアの163店舗に電力を供給しています。

この電力は実質再生可能エネルギーで発電したもので、年間使用量は合計約4,012万kWhです。
大規模な供給により、CO2排出量の削減量は年間1万8,290tに及びます。

東京都の系統用大規模蓄電池導入促進事業に採択

2023年8月、東京都の系統用大規模蓄電池導入促進事業に、しろくま電力が共同事業者5社と進める7案件が採択されました。

政府が掲げている2050年のCO2排出実質ゼロを達成するために、官民ともに各種施策を実施している中でのしろくま電力採用となり、系統用蓄電池事業が再エネ普及に貢献すると注目されています。

グリーンエネルギーの現状と課題

グリーンエネルギーの現状と課題

石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料による発電は、発電するときにCO2(二酸化炭素)が発生してしまいます。

しかし、太陽光、風力、地熱、水力、海洋、バイオマスなどから作られたエネルギーは発電時に発生するCO2排出量・温室効果ガスが少ない、もしくは排出しない、といった特徴があり、環境負荷が小さいグリーンエネルギーとされています。

グリーンエネルギーは自然から得られて枯渇しないので、再生可能エネルギーの中でも環境負荷が低くなっています。

グリーンエネルギーとクリーンエネルギーの違い

なお、言葉が似ているグリーンエネルギーとクリーンエネルギーは、似ている部分もありますが大きく異なる部分もあります。

グリーンエネルギーは太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーのことですが、クリーンエネルギーは環境負荷が小さいエネルギー全般を指し、再生可能エネルギーが含まれてはいるものの、原子力や二酸化炭素回収・貯留(CCS)を伴う化石燃料もクリーンエネルギーの中に含まれます。

地球温暖化や気候変動による自然災害の多発、災害の大規模化などが問題視される今、地球温暖化の大きな原因の一つとされるCO2排出量・温室効果ガスが少ないグリーンエネルギーによる発電は世界的に推奨されています。

日本政府の取り組みと課題

日本政府は「エネルギー基本計画」と呼ばれる計画を立て、2050年までの目標として温室効果ガスの80%削減や脱炭素化を目指し、再生可能エネルギーをはじめとしたエネルギー源の転換を進めています。(※世界的には2016年に採択のパリ協定で温室効果ガスの排出量削減などを推進)

日本での再生可能エネルギーの普及を助ける制度としては、電力のFIT制度(固定価格買取制度)が制定され、しろくま電力も旧社名のafterFIT時代には再生可能エネルギーの普及に大きく貢献しました。

また、日本だけではなく世界がグリーンエネルギーの普及へと舵を取るなか、大きな課題も浮上しています。

特に日本では、再生可能エネルギーの発電コストが他国よりも高い、電力の需要と供給のバランス調整が必要、カーボンリサイクル製品の普及が進んでいない、といった問題があり、国や自治体、エネルギー関連会社が一丸となって問題の解決に取り組んでいます。

再エネの課題を解決するしろくま電力の取り組み

再生可能エネルギーには、天候に左右されるという大きな問題があります。

しかし、しろくま電力では、日射量などの環境データと電力量を取得するしろくまメーターと監視カメラを使い、低コストで発電所を遠隔監視する「しろくまモニター」を開発しました。

この発電所遠隔監視技術の開発により、最適な発電を目指すことができるようになりました。

また、余剰電力を吸収して無駄な発電をなくす出力抑制を目指すために、蓄電システムを開発し、蓄電池の導入も進めています。

太陽光発電所に蓄電池を併設して電気を貯め、そこで得られたノウハウや知見を基に蓄電池制御機器の開発、エネルギーマネージメントシステム(EMS)の開発を実施しています。

そのほかにも、太陽光発電所評価レポート自動作成システムの開発、再エネの課題を解決する最新のGIS技術「グリーンマップ」の開発など、しろくま電力は技術開発にも精力的に取り組んでいます。

しろくま電力の資本金や売上高から見る将来性

しろくま電力の資本金や売上高から見る将来性

グリーンエネルギーに特化したしろくま電力は、時代のニーズを掴んで会社として将来有望のように見えます。

公開されている情報として、資本金は9,900万円、売上高は2024年1月期で172億円です。

しかし、実は2022年4月期には売上高が144億円にまで落ち込み(前期比約27%減)、赤字額は29億円まで膨れ上がり、経営危機を迎えていました。

これに対し、資産の売却や余剰人員が多かった従業員を400人から150人まで減らすという大胆な改革を行った結果、2023年4月期の売上高はさらに落ち込んで98億円にまで減ってしまいますが、赤字額は大幅に圧縮することに成功し、6億円の赤字となりました。

その後、事業規模の縮小と資産の集中が効果を発揮し、さらに電力の小売業と太陽光パネル搭載のカーポートを活用したPPAの事業が軌道に乗ったことにより、2024年1月期には、売上高172億円と過去最高の売上を計上して、会社の業績はV字回復を果たしています。

特定卸供給事業者(アグリゲーター)認定を取得

特定卸供給事業者(アグリゲーター)認定を取得

しろくま電力は2023年10月、資源エネルギー庁が定める特定卸供給事業者(アグリゲーター)認定を取得しました。

特定卸供給事業者(アグリゲーター)は、英語で言うとaggregator=集約する人となります。

電力事業におけるアグリゲーターは、電力を利用する側と電力会社の間に立ち、電力の需給バランスを調整するバランサーという意味で使われます。

具体的には、電力を使用する多くの需要家が持つエネルギーリソースをたばね、電力の需要と供給のバランスコントロールや、各需要家のエネルギーリソースが最大限に活用されるように取り組む事業者のことです。

しろくま電力は、アグリゲーターとして全国各地に点在する小規模なエネルギー源をまとめて効率的に活用するため、電力供給の調整や、需要が急増した際に電力を提供する役割を担います。

電力の供給と需要をバランス良く調整することで、インバランスリスク(電力小売事業者に課せられるペナルティ)を低減し、再生可能エネルギーの普及を促進しているのです。

しろくま電力の公式サイト

まとめ

以上がグリーン電力に特化した電力会社、しろくま電力について調べた結果です。

太陽光や風力といった再生可能な自然エネルギーから電力を生み出し、CO2の排出も少ないことから地球環境に優しい事業を行っている会社だということが分かりました。

これまでに経営危機を迎えることもありましたが、太陽光発電や蓄電池の設置などで実績を残し、現在の業績は好調です。

また、太陽光や風力発電で電気を生み出し、大型蓄電池で電気を貯めて有効活用するという事業は非常に将来性があります。

再生可能エネルギー、グリーン電力の普及は日本だけではなく世界中が取り組んでいることで、地球で暮らす人類として興味を持っていなければいけない事柄です。

多くの人は、生活インフラとして何の疑問もなく大手の電力会社の電気を使っているかもしれません。

しかし、本稿を読んで少しでもエネルギー問題や環境問題に関心を持っていただけたら、しろくま電力への電力会社乗り換えなど、実際に地球のためにできることをしてみるのはいかがでしょうか。

会社概要

社名しろくま電力株式会社
代表取締役谷本貫造
資本金9,900万円
所在地〒105-0012
東京都港区芝大門2⁻4⁻6 豊国ビル
事業内容グリーンエネルギーに関する課題解決事業
電力事業
 PPS
 PPA
系統用蓄電池事業
太陽光関連事業
許認可建設業許可
電気工事業 土木工事業 とび・土工工事業
東京都知事 許可(特ー1)第150274号

一級建築士事務所
福岡県知事登録 第1-61898号

経済産業省 資源エネルギー庁 小売電気事業者
登録番号 A0720

特定卸供給事業者認定
加盟団体JWPA(一般社団法人日本風力発電協会)
JPRSI (環境インフラ海外展開プラットフォーム)
JCLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)
JCI(気候変動イニシアティブ)
JSEC(日本再生可能エネルギー事業者協議会)
経産省 脱炭素経営による企業価値向上促進プログラム
環境省 COOL CHOICE
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