フジ住宅株式会社とは「ヘイトハラスメント裁判」と「ブルーリボンバッジ訴訟」で話題になった不動産会社・住宅メーカーです。
ハラスメントや訴訟という言葉を聞くと、それだけで「フジ住宅=悪」と考えてしまう方もいるかと思いますが(実際に当時は多くの誹謗中傷がありました)、本当のところ、フジ住宅に落ち度や炎上するような悪しき点はあったのでしょうか。
裁判・訴訟では、「ヘイトハラスメント裁判」で原告勝訴(フジ住宅の敗訴)、「ブルーリボンバッジ訴訟」でもフジ住宅の請求棄却となっていて、結果だけ見れば全面的にフジ住宅が悪いのではないかと推測することもできます。
しかし、ヘイトハラスメント裁判・ブルーリボンバッジ訴訟の内容、フジ住宅の主張、判決、そして口コミ評判から分かるフジ住宅の働く環境などを編集部が公平な目線で詳しく調査してみると、必ずしもフジ住宅=悪ではない事実が見えてきました。
本稿では、フジ住宅の裁判・訴訟の内容について詳しく紹介しているので、真実を知りたい方はぜひご覧ください。
- フジ住宅の概要
- ヘイトハラスメント裁判の概要と主張
- ブルーリボンバッジ訴訟の概要と判決
- 注意すべきネットの偏った情報
- 社員の口コミ評判で分かるフジ住宅の働く環境
- 働きやすい環境づくりと多数の受賞歴
興味のある内容から読む!
フジ住宅株式会社とは
フジ住宅株式会社は、大阪府岸和田市土生町に本社を構える不動産会社です。
創業は1974年と古く、事業所は本社のほかに大阪支社や東岸和田ビルなど10以上を数え、従業員数は関連会社を含めると1,200名を超える、大阪の不動産業界では名の知られた会社です。
事業は、住宅メーカーとして分譲住宅(マンションや自由設計の家など)の販売をメインに、中古住宅の仕入れから販売までを行う住宅流通、個人投資家向けの一棟売賃貸アパートやサービス付き高齢者向け住宅などを請け負う土地有効活用、アパートや高齢者向け住宅の賃貸及び管理などを展開しており、大阪府下を中心に官公庁から民間企業まで幅広い施工実績がある会社をパートナーとして迎え、建築関連事業のラインナップの充実化も図っています。
売上高は2020年3月期から2024年3月期の5年間を見てみると常に1,000億円を超え、経常利益は過去3年間右肩上がりで事業は好調です。
また、オリコン顧客満足度ランキングでは大阪府で5年連続、近畿エリアで4年連続1位になっていて、強引な手法で売上を伸ばしているのではなく、ユーザーを満足させて信頼を勝ち取り、高評価を受けつつ売上がアップしていることが分かります。
経営理念
フジ住宅では、「社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する」という経営理念を掲げています。
社員が健康で明るく元気にイキイキと働くことで、社員の家族、そしてフジ住宅と関わる顧客・取引先、株主、地域社会、さらには国にまでも好影響を与えることを目指しています。
行動指針としては、お客様の満足度重視、事業活動に関わる情報の開示、役職員の安全と健康に配慮、反社会的勢力排除、地域社会と交流して社会貢献に努めるとしています。
創業の精神
フジ住宅の創業者は現・代表取締役会長の今井光郎さんです。
戦後間もない今井光郎さんの幼少期は、家の貧しさから兄が中学を辞めて鉄工所で働き、上の兄姉も高校に進学できないほどの経済状態でした。
今井光郎さんも高校を出てすぐに就職し、社会人としては安定した生活を送っていたのですが、長兄が結核にかかったために多額の入院費用が必要になり、さらには今井家の生計も立てなければいけないという状況になりました。
入社間もない不動産会社で今井光郎さんは営業職として人の倍は働き、トップセールスを記録し、今井家を守ったのです。
そして1974年、フジ住宅を創業するのですが、そのきっかけは住宅業界の品質責任に対する意識の低さからでした。
当時の住宅業界は質が低く問題が多発していて、今井光郎さんは販売した住宅の修理費用を自腹で払っていました。
売った者としての責任を果たせない悔しさ、そしてお客様の信頼を裏切ることが許せず、自分で会社を起こすことを決めたのです。
そういった生い立ちや仕事上の経験から、今井光郎さんは家のことを「家族を育む揺りかご」と表現していて、家族を育む家を届けるためにフジ住宅を創業しました。
また、社名については、富士山のように日本一愛される会社にしようという想いからフジ住宅としていて、日本一を目指し、地域社会や日本という国のためになる会社運営を行っています。
フジ住宅のヘイトハラスメント裁判とは
フジ住宅のヘイトハラスメント裁判とは、フジ住宅でパート従業員として働いていた50代の在日韓国人女性(在日韓国人三世)が、フジ住宅と創業者の今井光郎会長を相手取って3,300万円の賠償を求めたレイシャルハラスメント・パワーハラスメントを問題とする裁判のことです。
女性の主張は、「ヘイト本や歴史改竄本のコピーを社内で大量配布された」「誹謗中傷の書き込みがあるネット文書を社内配布された」といったもので、精神的な苦痛を理由に損害賠償を訴えました。
フジ住宅の社内配布は、在日韓国人女性を特定のターゲットとしたものではありませんでしたが、自分をターゲットにしていると感じた女性は、2013年に資料の配布について労働基準監督署に相談し、2015年には提訴に至りました。
裁判は2020年に一審の判決が出て、フジ住宅の文章配布は女性個人への差別的言動とは言えないが、程度や態様が社会的に許容できる限度を超えていて、女性の人格的利益を侵害しているとして、フジ住宅に110万円の賠償を命じました。
しかし、女性は一審判決後も会社が文章の配布を続けたと主張し、2021年の二審判決では賠償額が増額されて132万円の賠償命令がでました。
これに対してフジ住宅は上告しましたが、2022年9月、最高裁で上告を退ける決定が下されて7年に及ぶヘイトハラスメント裁判が結審しました。
フジ住宅の主張
フジ住宅は原告の主張に対し、ヘイトスピーチや人種差別的とされる言動はパート従業員の在日韓国人女性を対象にしたものではないと主張しています。
そして裁判所の判決でも「原審原告を具体的に念頭に置いて記述されたものではないことは明らか」「原審原告個人をも侮辱し、原審被告会社において疎外することを内容とするものと読み取ることはできない」というフジ住宅の主張を一部認めています。
今井光郎さんは、従業員や顧客、そして地域社会や国のためにフジ住宅を経営するという経営理念を持っていて、ヘイト本や歴史改竄本とされる資料については「従業員を自虐史観から解放したい」という願いで配布しています。
女性の主張やマスコミの報道では問題表現のある文章を何度も配布したかのような印象がありますが、そういった文章は、社内配布した資料の中の一部に文言が入っていただけであり、その言葉もフジ住宅の主張ではなく、第三者の書き込んだコメントが偶然入り込んでいたものです。
また、フジ住宅の取締役5名中の2名は韓国系日本人であり、フジ住宅が韓国人を差別しているならこのような人事はありえないと主張しています。
フジ住宅の主張としては、あくまで歴史認識に関する資料として文章を配布したということです。
原告側の主張が一部虚偽だった?
フジ住宅は敗訴となりましたが、主張は一貫していて、正当性があるように思えます。
一方、原告側の主張が一部虚偽だったのではないかという疑いがあります。
原告側は「中国や韓国出身者に対しての侮辱がある雑誌記事などを全従業員に繰り返し配布した」としていますが、問題となっている表現が印刷された文章の配布は一度だけであり、その表現についてもフジ住宅が書いたものではなく、YouTubeのコメント欄に第三者が書き込んだコメントです。
ネット上での表現をまるでフジ住宅が原告女性に直接言ったかのような主張は、虚偽とされてもおかしくない主張です。
ブルーリボンバッジ訴訟が起きた経緯
ブルーリボンバッジ訴訟は、ヘイトハラスメント裁判の公判中に発生した裁判です。
今井光郎さんらは、裁判中に北朝鮮による拉致被害者の救出を求める運動のシンボルである「ブルーリボンバッジ」を着用していましたが、2018年5月、裁判長の命令でブルーリボンバッジを外すよう指示されました。
これを不服とした今井光郎さんらは、2020年11月に法廷警察権の乱用にあたると主張し、憲法が保障する表現の自由に反するなどとして国に計390万円の損害賠償を求めました。
これをブルーリボンバッジ訴訟と呼んでいます。
着用禁止命令は妥当との判決
ブルーリボンバッジ訴訟は2023年5月31日に判決が下されました。
大阪地裁は、ブルーリボンバッジの着用を許すと原告と被告、そして原告支持者と被告支持者の間でいさかいが起き、裁判に支障をきたす可能性があったとして、今井光郎さんらの請求を棄却しました。
実は、ブルーリボンバッジの着用の前には、原告側の支援者が「ヘイトハラスメントストップ」という缶バッジをつけて傍聴席に座るという事がありました。
その後、フジ住宅側が「富士山と太陽」の缶バッジを着けて入廷すると、原告側の支援者がそれに抗議し、裁判所は双方のバッジを外すように指示していました。
ブルーリボンバッジは拉致被害者救出という大義を掲げ、歴代首相や国会議員も積極的に着けているシンボルです。しかし、この裁判においては、裁判長は法廷警察権があり、法廷の秩序を維持するための対応として正しかったとして、今井光郎さんらの主張は認められませんでした。
ネット上の偏った情報に注意
毎日SNSを通じて著名人の投稿を見たり、顔も知らないネットだけのつながりの人と交流したりするのが当たり前になっている現代。
ネット上では様々な情報が飛び交い、それを見て楽しんだり悲しんだり怒ったりと、真偽の不確かな情報にネットユーザーは一喜一憂しています。
その一方で、InstagramやTikTok、X(Twitter)、スナップチャット、BeRealなどの普及に伴い、多くの人権侵犯事件(プライバシー侵害、名誉毀損)が発生しています。
原因としては、自分と似たような価値観や考え方のユーザーをフォローすることで発生する、同じようなニュースや情報ばかりが流通してしまう「エコーチェンバー」と、ユーザーの好みをAIなどが学習することにより、当該のユーザーが好む情報ばかりがフィードにあふれる「フィルターバブル」にあります。
情報が偏り、思考が固着化することにより、自分の意見に固執してしまい、人権侵犯事件が起こりやすくなっているのです。
また、自分の周囲にいるのは同じ考えのフォロワーばかりなので、意見が異なる特定の相手に対して集団で攻撃に出ることも多くなっています。
Xでは誹謗中傷に対する発信者情報開示請求により、投稿者の氏名や住所が明らかになるケースが増えていて、SNSユーザーが知らないうちに攻撃的になり、人をバッシングしている現状が反映されています。
フジ住宅に寄せられた数々の批判
フジ住宅の件でも、「廃業しろ」「頭おかしい糞企業ですね?」「馬鹿なジャップって感じ」「ヘイトスピーチ企業は潰れてください。」「フジ住宅は、人間として許されざるヘイトゴミ会社ですね。」などと口汚く罵る批判コメントが殺到しました。
原告の過剰な主張やそれに乗っかる形のマスコミの報道により、「フジ住宅=悪」という構図ができあがり、それに感化された人が攻撃するという、ネット社会の悪い一面がわかりやすく表面化したのがフジ住宅の「ヘイトハラスメント裁判」と「ブルーリボンバッジ訴訟」でした。
社員の口コミ評判から解き明かすフジ住宅の働く環境
「ヘイトハラスメント裁判」の報道を見ると、フジ住宅はヘイト資料を配布するような、思想が偏って危険な企業のように思われる方もいることでしょう。しかし、実際は社員の幸せを願い、お客様からの満足度も高く、不動産会社としての評価は非常に高いものがあります。
ここでは、社員の口コミ評判を調べて、フジ住宅の働く環境を詳しく紹介していきます。
社員だけではなく家族までも大切にしてくれる
【評判口コミ】
社員や社員の家族を大切に考えてくれる会社なので、家族のため(子どもが熱を出した時など)にお休みを申請しても大丈夫ですし、全くのプライベートの旅行や用事でお休みをもらっても何か言われたりすることはありません。
引用元:https://www.openwork.jp/one_answer.php?vid=a0A1000002BP52s&qco=6
フジ住宅では、経営理念の最初で「社員のため」、そして2つ目に「社員の家族のため」という言葉を掲げているように、社員とその家族のことを会社として守り、幸せになってもらうことを願っています。
女性が働きやすい職場
【評判口コミ】
育児休暇でお休みを取られている方も多く、復帰率も高いと思われます。また、女性でも役職につく方が多く、男女関係なく能力で判断されるので女性でもキャリアを積んでいくことが可能だと考えられます。
引用元:https://jobtalk.jp/companies/3455/answers/7268654
フジ住宅は福利厚生が手厚い会社です。ユニークなものとして、「親孝行月間」には在職者全員を対象に、親孝行の実施を目的とした1万円が支給されます。
そのほかにも「360度人事評価」「記念日花束送付」「充実した健康診断」「専門スタッフによる健康(介護・育児)相談」などもあります。
周囲からのサポートが手厚い
【評判口コミ】
困ったことはすぐに上司に相談出来る雰囲気がありました。邪険に扱われることなく、上司も同僚もみんな優しかったです。
引用元:https://en-hyouban.com/company/10009514177/kuchikomi/9769084/
フジ住宅の「人」を大切にする社風が全社員に行き渡っているエピソードです。社員同士が社員のことを思っているからこそ、上司や同僚に気軽に相談できる気風があります。
フジ住宅で働く社員の口コミ評判まとめ
フジ住宅で働く社員の口コミ評判は高評価なものばかりでした。
会社が社員ことを大切にし、社員は社員同士を大切にする。
そういった社風だから、会社からの福利厚生は手厚く、また社員同士のサポートもしっかりしていて、働きやすい職場となっています。
フジ住宅の働きやすい環境づくり
フジ住宅は社員が働きやすいように様々な環境づくりに取り組んでいます。
安全で働きやすい職場環境の確保のために安全衛生管理活動を推進し、自宅などで働けるテレワークにも積極的に取り組んだことで「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」を受賞しています。
また、社員の健康を守るために毎年1回、全役職員を対象とした定期健康診断を実施し、一般健康診断はもちろん、血液検査、腫瘍マーカー検査を追加し、35歳以上の全役職員には胃のレントゲン検査、女性役職員には乳がん検査も受けてもらっています。
そのほかにも、現代社会をたくましく生きるためのスキルやトレーニングを導入して社員のメンタルヘルスに気配りをしたり、組織健康度調査によって社員の心身の健康状態などをチェックしたり、職場には紫外線と純粋オゾンの効果で空気中の浮游雑菌やウイルスを除去できるグリーンメイトを設置するなど、優れた職場環境を提供している会社です。
多様な取り組みによる受賞歴
フジ住宅の働きやすさへの取り組みにより、毎年複数の賞を受賞しています。
2024年には「第25回記念テレワーク推進賞『実践部門 特別賞』」「がん対策推進優良企業」「オリコン顧客満足度調査」「スポーツエールカンパニー2024」を受賞。
2023年には「がん対策推進優良企業」「健康経営優良法人2023 大規模法人部門(ホワイト500)」「スポーツエールカンパニー2023」「オリコン顧客満足度調査」を受賞しています。
「オリコン顧客満足度調査」や「スポーツエールカンパニー2024」では連続して受賞していて、取り組みが継続できていることを示しています。
まとめ
以上が、フジ住宅が直面した「ヘイトハラスメント裁判」と「ブルーリボンバッジ訴訟」について、裁判・訴訟の概要と実際にフジ住宅で働く人の口コミ評判を調査した結果です。
一部の偏った報道により、特定の国や人を悪く言うようなヘイトスピーチの会社だと思われていますが、実際は原告の主張やマスコミの報道は過剰な面があることが分かりました。
フジ住宅は純粋に社員のことを大切にし、歴史的な認識を正しく持ちたいと考えている会社です。
社員の会社に対する評価は非常に高く、充実の福利厚生によって社員の満足度は最高レベルです。
また、お客様からの評判も良く、オリコンの顧客満足度では連続で「建売住宅 ビルダー 近畿・大阪部門」で第1位となっています。
「ヘイトハラスメント裁判」と「ブルーリボンバッジ訴訟」の件で、フジ住宅と会長の今井光郎さんを悪と評価する方がまだネット上で見受けられるのは、ネットにありがちな「エコーチェンバー」や「フィルターバブル」の悪影響であるという見方もあります。
ネット上の偏った情報に惑わされることなく、正当に評価するならば、フジ住宅は優良な不動産会社であることが分かったので、不動産関連の取引をしたい方、不動産会社としての就職を考えている方は、安心してフジ住宅を頼ってください。
会社概要
社名 | フジ住宅株式会社 |
創業 | 昭和48年1月22日 |
設立 | 昭和49年4月19日 |
代表者 | 代表取締役社長 社長執行役員 宮脇宣綱 |
本社所在地 | 〒596-8588 大阪府岸和田市土生町1丁目4番23号 |
資本金 | 48億7,206万円 |
従業員数 | 910名(連結1,247名)パート社員含む |