鷲津メッキ工業所は、テクノロジー（技術）とエコロジー（環境）を両立させていることで評判になっている、メッキ加工会社です。

1961年創業と古い会社ですが、考え方は現代的な会社運営になっていて、自社のメッキ技術や品質マネジメントに加え、最新の排水設備を備えて環境負荷の少ない事業運営を行っています。

本稿は、鷲津メッキ工業所の概要や歴史、事業内容、評判口コミ、実績、エコロジーの取り組みなどを詳しく調査して紹介します。

メッキ業界や鷲津メッキ工業所そのものについて知りたい方は、ぜひ最後まで御覧ください。

鷲津メッキ工業所とは

有限会社鷲津メッキ工業所は、浜名湖や太平洋にほど近い静岡県湖西市新居町内山に自社工場を構えるメッキ加工会社です。

周囲を緑に囲まれた同社では、正規社員・非正規社員あわせて約80人が働いています。

主な事業は、金属部品の表面にメッキ処理を行うメッキ加工で、メッキラインには亜鉛メッキやスズメッキなどを処理されたパーツが流れています。

テクノロジーとエコロジーを両立させる会社として評判で、4名の1級メッキ技能士が所属し、最新のメッキラインで高品質、高信頼性のある製品を生産しています。

エコロジーに関しては、排水が浜名湖に排出されるために高レベルな環境管理を行っています。

メッキを依頼するお客様、そして会社を取り巻く周囲の人々から高い評価を受けているのが鷲津メッキ工業所です。

会社の歴史

鷲津メッキ工業所は1961年に東海道線鷲巣駅の近くで創業しました。

当初は周囲に家などが少なく、工場として営業するのに不都合はなかったのですが、徐々に家が増え始め、会社としても受注が増えてきて環境対応や自動化を進める必要があったために移転することになりました。

移転先に選んだのは、鷲津駅から直線距離で南へ約3kmの場所で、周囲が緑豊かな丘の上の静岡県湖西市新居町内山でした。

いまでは、周囲に金属加工の株式会社タカラや株式会社浜名製作所、精密板金加工の米澤製作株式会社、金属切削加工業の有限会社TKCなどが立ち並び、金属加工関連の会社で協業することにより大きなメリットを得ています。

また、鷲津メッキ工業所は高い技術力を持ち、エコロジー・環境問題を以前から重要視していて、2002年にはISO9001の認証を取得し、2011年にはISO14001の認証も取得しています。

鷲津メッキ工業所の事業内容

鷲津メッキ工業所の事業は、メッキ加工です。

メッキとは、製品の表面に亜鉛やスズ、ニッケルなどの金属の薄い膜を処理する加工のことです。

鷲津メッキ工業所では、主に自動車部品の金属製品に対し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメッキ、無電解ニッケルメッキ、亜鉛鉄合金メッキ、亜鉛ニッケル合金メッキなどを行っています。

各種のメッキを可能にするのは、静止亜鉛ラインやバレル亜鉛ライン、無電解ニッケルライン、静止Snラインといった複数の自動化されたメッキラインです。

そして蛍光X線膜厚計、原子吸光光度計、塩水噴霧試験装置、断面分析装置といった検査分析装置を使い、高品質な製品を顧客へと納めています。

鷲津メッキ工業所の評判口コミ

鷲津メッキ工業所の評判口コミについて、働いている社員からの声を調べました。

先輩たちからの教えで成長

工場での仕事はきついというイメージがあるかもしれませんが、鷲津メッキ工業所では、しっかりとしたサポート体制が構築されているので、始めての業種でもスムーズに仕事に入れて、成長することができます。

メッキ加工の奥深さを感じられる仕事

鷲津メッキ工業所のメイン事業であるメッキ処理は様々な製品にメッキ加工を施す仕事です。

主な製品は自動車部品のメッキ加工なので、みなさんが普段乗っている車にも、実は鷲津メッキ工業所でメッキ加工をしたパーツが使われているかもしれません。

また、メッキ加工は自動車部品だけではなく様々な製品にも使われているので、働いている方はメッキ加工という仕事の奥深さを感じ、社会に貢献しているという気持ちを持っているようです。

良品だけを出荷する責任感のある仕事

鷲津メッキ工業所で働く方は、責任感を持っている方が多いという印象です。

パーツ一つ一つは小さく、自動車などでどこに組み込まれているかは分かりづらいかもしれませんが、良品が集まってひとつの機能的な工業製品が生まれることを理解しているスタッフが多数所属しています。

鷲津メッキ工業所の評判口コミまとめ

鷲津メッキ工業所で働く社員は、自分の仕事に責任感や誇りをもっていることがわかりました。

メッキ処理の丁寧さ、検品の厳しさなど、小さな製品一つ一つに真摯に向き合っています。そういった仕事を可能にする、周囲からのサポートが厚い職場環境も高評価です。

採用掲示板での鷲津メッキ工業所の評判はどう？

鷲津メッキ工業所の評判について、採用掲示板に寄せられた口コミから従業員の働きやすさを調査しました。

社員の負荷をうまく分散している

勤務時間・休日休暇:
ライン単位で異なるが、負荷大のラインは交代勤務でバランス調整している。
（引用元：https://en-hyouban.com/company/10200035978/kuchikomi/10319819/）

ラインによっては負荷が大きくなってしまうことがあるので、ライン単位で交替勤務を行い、バランス調整が行われているようです。

その結果、どこどこのラインだけが残業で仕事が厳しいということがなく、疲弊するということがなくなっています。

働き方の相談をしやすい

早帰り、副業は、社長との調整になるが臨機応変に対応できると想定。
（引用元：https://en-hyouban.com/company/10200035978/kuchikomi/10319819/）

家庭の事情などで早帰りしたい、空いた時間で副業したいなど、働き方の相談を直接社長にお願いすることができるようです。

社員のライフスタイルに合わせた、臨機応変な働き方が可能であることがうかがえます。

リモートワークはできない

製造業より、リモートワークはできません。 定時に終われるので、副業希望の方は問題ないと思います。
（引用元：https://en-hyouban.com/company/10200035978/kuchikomi/8115191/）

工場に出勤しての製造業という仕事なので、家で仕事をするというリモートワークには対応していません。

ただ、定時で帰ることができるため、仕事を負担に感じる社員は少ないようです。

女性が活躍している職場

女性社員は多く、家庭を持たれている人も多いので双方で協力している。
（引用元：https://en-hyouban.com/company/10200035978/kuchikomi/10319821/）

鷲津メッキ工業所の検査や生産管理では多くの女性が活躍しています。
女性でも働きやすい環境が整っているので、家庭を持っている方も気持ちよく働くことができる職場のようです。

エコロジーへの取り組み

メッキ処理は、重金属やクロムなど環境負荷の高い材料を使用する場合があります。また、工場にはメッキ処理を行うメッキ浴や回収槽などがあり、それらの工程ではメッキ液由来の各種金属イオン類、光沢剤といった成分を含む排水が生じます。

排水はそのままでは人体に対して有害で、法律によって水質規制が決められています。

鷲津メッキ工業所は、浜名湖の美しい自然環境を守るために、この排水をキレイにするための最新の高度な排水処理設備を導入しています。

その姿勢と実際の能力が認められ、国際標準化機構が定める環境管理の国際規格・ISO14001の認証を取得しています。

太陽光パネルの設置

鷲津メッキ工業所は2021年5月に太陽光パネルを設置しました。太陽光パネルは、太陽の光を受けて電気を発電し、その電気を使用することで環境負荷を軽減することができます。

電気を生み出すためには、原子力発電や火力発電など、大きな環境負荷をかける必要があります。

しかし、森林などを伐採することなく工場や社屋に太陽光パネルを設置して電気を生み出せば、自然と環境を守りつつ電気を使用することができます。

近年では、太陽光発電システムの生産も技術が確立され、太陽光発電システム製造時のエネルギーも大きくはなく、一般的にEPT（発電設備建設から廃棄までに使うエネルギー消費量を何年分の発電で取り戻せるかという数値）は約1年～2.6年とされています。

3年使えば、太陽光発電を製造した時のエネルギーを回収できるので、それ以降は環境負荷をかけずに発電を続けられることになり、太陽光発電は環境に優しいエコなシステムと言えます。

浜名湖の水質を守る

鷲津メッキ工業所の排水が流れ込む浜名湖は、汽水湖で栄養が豊富にあり、うなぎを始めとして海苔や牡蠣の養殖などで有名な湖です。

浜名湖には28の川と繋がっており、工場からの工業排水や農家からの畜産排水、家庭からの生活排水などが流れ込みます。

そのため、2000年前後の時点では水質汚濁が問題になっていましたが、周囲の工場運営者の意識向上や公共下水道の整備、合併処理浄化槽の普及などにより、現在は水質汚濁の原因であるリンや窒素の濃度が大幅に減少しています。

鷲津メッキ工業所は、湖西環境保全協議会が主催する講演会に参加するなどして、日々、環境問題に取り組んでいます。

鷲津メッキ工業所の実績

鷲津メッキ工業所は、これまでに多くの実績を残しているので、詳しく紹介します。

ISO9001・ISO14001の認証取得

技術とエコロジーで知られる鷲津メッキ工業所は、その証明として国際規格を取得しています。

品質に関しては、品質マネジメントシステムに関する国際規格のISO9001の認証を取得しています。

また、エコロジーに関しては、国際標準化機構が定める環境管理の国際規格であるISO14001の認証を取得しています。

「水素脆性防止のメッキ処理法」で特許を取得

確かな技術を持つ企業は、自社で開発した技術について特許を取得してその技術を守ります。

鷲津メッキ工業所は、2002年2月に水素脆性防止のメッキ処理法について特許を出願し、その内容が認められて2003年8月に公開しました。

この技術は、メッキ処理で密着性悪化や鋼材を脆くするといった問題が生じる水素脆性に対し、水素脆性の起こらない前処理を行い、メッキの膨れや鉄鋼素材強度の脆化を防止するというものです。

メッキ処理をメイン事業とする鷲津メッキ工業所ならではの特許で、鷲津メッキ工業所の技術力の高さを証明するものでもあります。

鷲津メッキ工業所の公式HP

まとめ

以上が鷲津メッキ工業所について、概要や事業内容、評判口コミなどを調べた結果です。

テクノロジー（技術）とエコロジー（環境）を大事にする会社だけあり、しっかりと国際規格を取得し、浜名湖の自然環境の維持にも力を入れています。

品質が高いことは顧客満足度も高いことに繋がり、大手企業からの安定した依頼によって会社経営も安定しています。

メッキ加工の仕事は品質管理や排水の環境対策が重要ですが、それらを高いレベルでクリアしている会社ということがわかりました。

働き方に対する会社からの理解もあり、会社と社員が一丸となって仕事に向き合っているので、今後も高い評判は維持されていくことでしょう。

会社概要