バックエンドエンジニアは、Webサイトやアプリケーションの「裏側」で重要なシステムの役割を果たす職種です。しかし、この仕事はその専門性の高さから、「バックエンドエンジニアには向いていない」とアドバイスされることもあります。
実際に、バックエンドエンジニアとして働くためにはどのようなスキルが求められ、どのような人が向いているのでしょうか。また、未経験からこの分野に挑戦する場合、どのように学び始めれば良いのかについても紹介していきます。
この記事の目次
バックエンドエンジニアとは?仕事内容を解説

バックエンドエンジニアは、Webサイトやアプリケーションの「背後」でシステムの機能を支える技術者です。
アプリケーションは、ユーザーが直接操作する「フロントエンド」と、裏側でデータ処理や管理を行う「バックエンド」の2つの部分で構成されています。
バックエンドエンジニアは、システムの安定性やデータ管理、サーバー運用などを担当し、フロントエンドと連携して全体がスムーズに動作するようにしています。
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バックエンドエンジニアの基本的な役割
バックエンドエンジニアの仕事は主に、アプリケーションの中核となる部分を構築し、維持することです。
具体的には、次のような役割を担います。
サーバーサイド開発
ユーザーからのリクエストを処理し、必要なデータを取り出したり、更新したりするプログラムを開発します。例えば、ユーザーがログインした際、その情報を処理してデータベースに保存したり、ユーザーに応じたデータを返したりします。
データベースの管理
バックエンドでは、データベースに情報を保存しており、その設計や運用、効率的なクエリの作成が求められます。代表的なデータベース管理システムには、MySQL、PostgreSQL、MongoDBなどがあります。
APIの設計と実装
フロントエンドとバックエンドがデータをやり取りするために、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を利用します。バックエンドエンジニアは、データをやり取りするためのインターフェースを構築し、システム間のコミュニケーションを円滑にします。
セキュリティ管理
ユーザー情報やシステム全体の安全を確保するため、暗号化や認証、アクセス制限などを行います。個人情報保護が特に重要で、セキュリティ対策は欠かせません。
パフォーマンスの最適化
システムが高負荷の状況でも安定して動作するように、サーバーやデータベースのパフォーマンスを最適化します。例えば、データのキャッシュを使用することで処理速度を速くするなどの方法があります。
バックエンドエンジニアのプロジェクトへの関わり
具体的なプロジェクトでは、バックエンドエンジニアは初期段階から関与し、システム全体の設計を担当します。
アプリケーションの機能要件に基づいて、どのようにデータを扱うか、どの技術を使用するかを決めていきます。その後、実際にプログラムを書き、サーバーサイドやデータベース、APIを構築していきます。
プロジェクトが進む中で、フロントエンドエンジニアと密に連携し、ユーザーが直接触れる部分とバックエンドがどのように連動するかを調整します。
システムが完成した後は、運用・保守を担当し、トラブルシューティングやパフォーマンス向上を行います。
バックエンドエンジニアに向いている人の特徴とは

バックエンドエンジニアは、システムの内部で動作する部分を担当し、アプリケーションが適切に機能するための基盤を作り上げます。
システムがスムーズに動作するためには、バックエンドエンジニアには特定のスキルや性格が必要です。
- 論理的思考が得意な人
- 問題解決力が高い人
- 細かい作業を得意とする人
- チームでの協力が得意な人
- 新しい技術を学ぶ意欲がある人
- 自己管理能力が高い人
以下では、バックエンドエンジニアに向いている人の特徴を、スキル面と性格面から詳しく紹介していきます。
1. 論理的思考が得意な人
バックエンドエンジニアに不可欠な能力の一つは、論理的に物事を考える力です。
システムやアプリケーションを開発する過程では、複雑なロジックやアルゴリズムを理解し、それを実装することが求められます。
例えば、ユーザーがシステムにリクエストを送るとき、そのリクエストにどう答えるか、どのようにデータを処理し、返すかを論理的に組み立てる必要があります。
論理的に考えることが得意な人は、問題を段階的に分解して解決策を見つけ出し、効率よく作業を進めることができます。バックエンドエンジニアは、システム全体の設計や問題解決に取り組むことが多いため、この能力は非常に重要です。
2. 問題解決力が高い人
バックエンドエンジニアは、開発中や運用中に多くの問題に直面します。システムに不具合があったり、データの処理に問題が生じたりすることは避けられません。そのため、問題が発生した際に冷静に原因を特定し、解決方法を見つけ出す能力が求められます。
問題解決力が高い人は、まず問題を正確に把握し、それがどこで発生しているのかを深く理解できます。その後、最適な解決策を導き出し、効率的に問題を解決していくことができます。
このような能力を持つ人は、バックエンドエンジニアとして非常に重宝されます。
3. 細かい作業を得意とする人
バックエンドの業務は、細部にわたる作業を伴うことが多いです。コードを書く作業や、データベース設計、APIの実装など、細かな部分に注意を払うことが求められます。わずかなミスがシステム全体に大きな影響を与えることもあるため、正確さと注意深さが重要です。
細かい作業に対する耐性が高い人は、こうした仕事に向いています。
たとえば、エラーの検出や修正を素早く行う能力や、データの整合性を維持しながら複雑な処理を行う能力は、バックエンドエンジニアに欠かせません。
4. チームでの協力が得意な人
バックエンドエンジニアは、他の職種の人々と密に連携して作業を進めます。フロントエンドエンジニアやデザイナー、プロジェクトマネージャーなど、さまざまなメンバーと協力しながらシステムを構築していきます。システム全体がうまく機能するためには、チームとして円滑に作業を進めることが必要です。
チームワークを重視できる人は、他のメンバーと協力して効率的に仕事を進め、共通の目標に向かって進んでいけるため、バックエンドエンジニアに向いています。
意見を交換したり、他のメンバーと連携しながら問題解決に取り組むことができる人は、プロジェクトを成功に導く力を持っています。
5. 新しい技術を学ぶ意欲がある人
バックエンドエンジニアにとって、技術の進化についていくことは不可欠です。プログラミング言語やフレームワーク、データベース技術など、技術は日々更新されています。新しいツールや方法を学び続けることが、より効率的で高性能なシステムを開発するために必要です。
新しい技術に対して興味を持ち、学び続ける姿勢がある人は、バックエンドエンジニアとして非常に有利です。最新の技術を取り入れることで、より良いシステム作りや、効率的な問題解決が可能になります。
技術に対する好奇心があり、自己学習を続けられる人は、長期的にバックエンドエンジニアとして活躍できるでしょう。
6. 自己管理能力が高い人
バックエンドエンジニアは、与えられたタスクを効率的に管理し、期限を守ることが求められます。特に複雑なプロジェクトでは、複数の作業を並行して進める必要があり、自分の作業をしっかりと整理し、優先順位をつけて進める能力が重要です。
自己管理能力が高い人は、効率よく作業を進めることができ、納期に間に合わせることができます。また、スケジュール通りに作業を進めることができるため、チーム内で信頼される存在となります。
自分の作業をきちんと計画し、適切に実行できる人は、バックエンドエンジニアに向いています。
バックエンドエンジニアはやめとけと言われる理由とは

バックエンドエンジニアはシステムの核心部分を担う重要な役割を持っていますが、その職務の特性や求められるスキルの高さから、一部の人々は「バックエンドエンジニアは避けるべきだ」とアドバイスすることがあります。
ここでは、なぜそのように言われるのか、その理由と、それにどう対処できるかについて解説します。
1. 仕事の複雑さと技術的な難易度
バックエンドエンジニアの仕事は、システムの基盤となる部分を担当するため、非常に高い技術力が求められます。
データベースの設計やサーバーサイドのプログラミング、APIの開発など、多岐にわたる業務をこなさなければなりません。
これらの作業は、非常に高度で専門的な知識を必要とし、ミスが許されない場面も多いため、業務の難易度が高いと感じる人が多いのです。
また、システム全体の動作を理解し、問題を解決する際には膨大な情報を扱う必要があり、開発中にトラブルが発生した場合、その原因を突き止めることが非常に難しくなることもあります
このような難しさが、バックエンドエンジニアを勧めない理由の一つです。
2. ストレスとプレッシャーの多さ
バックエンドエンジニアは、システムが正しく動作するように細心の注意を払い、常に監視し続ける必要があります。システムに不具合が発生した場合、その修正や調整は迅速に行わなければならず、時間的なプレッシャーを感じやすいです。
特にトラブルシューティングの際、問題の根本的な原因を特定し、速やかに解決しなければならないため、ストレスがかかる場面が多くなります。
さらに、納期が迫っている中で複数のタスクを同時進行で進めることが多く、業務の進行に対するプレッシャーが強くなることがあります。
こうしたストレスの多さが、バックエンドエンジニアを敬遠する理由の一因です。
3. 結果が見えみくい
バックエンドエンジニアの業務は、直接的にユーザーと接する部分ではなく、システムの裏側で行われます。そのため、他の職種と比べて、自分が行った仕事の成果が目に見えづらいことがあります。
フロントエンドエンジニアやデザイナーのように、ユーザーが直接触れる部分を作る仕事と違い、バックエンドエンジニアの成果はシステムが正常に動作していることに現れるため、達成感を感じにくいことがあります。
システム全体が順調に動いていることが前提となるため、自分の貢献が目立たないことがやりがいを感じづらくさせる要因となることがあるはずです。
バックエンドエンジニアが使用する主なプログラミング言語を徹底解説

バックエンドエンジニアは、アプリケーションやウェブシステムの内部処理を担い、プログラミング言語の選定がシステムの効率性、拡張性、パフォーマンスに大きく影響します。
ここでは、バックエンドエンジニアがよく使用する主要なプログラミング言語を紹介し、各言語の特徴、利点、および適した用途について紹介していきます。
1. Java
Javaは、長年にわたって多くの企業で使用されてきた定番のプログラミング言語で、特に大規模なシステムや企業向けアプリケーションのバックエンド開発に適しています。
メリットは、以下の通りです。
プラットフォーム非依存
Javaは「一度書けばどこでも実行できる」という特徴があり、異なる環境で同じコードを動かすことができます。これにより、企業のITシステムが多様な環境でも一貫して動作することを保証します。
強力なフレームワークとツール
SpringやHibernateなど、Javaには大規模システム開発を効率化するフレームワークが多く存在し、これらを活用することで開発スピードが格段に向上します。
高いパフォーマンスとスケーラビリティ
高いスケーラビリティを持ち、システムが成長しても安定した運用が可能なため、特に大規模なデータ処理が必要なシステムに適しています。
Javaは、金融業界や大規模なオンラインプラットフォーム、または高トラフィックを扱うシステムに多く使われます。特にマイクロサービスアーキテクチャや、クラウドインフラを活用したシステムにおいてその力を発揮します。
2. Python
Pythonはそのシンプルで直感的な文法で広く人気があり、バックエンドのWeb開発だけでなく、機械学習やデータ解析でも頻繁に使用されています。
メリットは、以下の通りです。
簡潔なコードと学習のしやすさ
Pythonはコードがシンプルでわかりやすく、初心者でも学びやすいとされています。そのため、迅速に開発を始めることができます。
豊富なフレームワークとライブラリ
DjangoやFlaskなどのWebフレームワークを使うことで、バックエンド開発の効率を大幅に向上させることができます。また、データサイエンスやAI向けのライブラリも充実しており、システム内に高度な分析機能を組み込むことが容易です。
柔軟なエコシステム
Pythonは多くの異なる分野で使用されており、データ処理やAIを組み込むバックエンドシステムにも適しています。
Pythonは、API開発や軽量なWebアプリケーション、またはデータ解析をバックエンドに組み込むシステムに利用されます。特にスタートアップ企業やプロトタイピングでの開発に人気があります。
3. Ruby
Rubyはそのシンプルで直感的なコードが特徴で、特にRuby on Railsというフレームワークを使用したWebアプリケーション開発で知られています。
メリットは以下の通りです。
迅速な開発
Ruby on Railsを活用することで、標準的な機能を素早く実装でき、開発スピードが大幅に向上します。これにより、プロジェクトを迅速に進行させることができます。
読みやすくエレガントなコード
Rubyは「書きやすさ」と「読みやすさ」を重視しており、エレガントで直感的なコードを書くことができます。これにより、コードの保守性が高まり、長期的に開発を続けやすいです。
強力なコミュニティ
Rubyは非常に活発な開発者コミュニティを持ち、豊富なライブラリやプラグインが提供されているため、開発において非常に有利です。
Rubyは、特に短期間でプロジェクトを立ち上げる必要がある場合に最適です。スタートアップ企業や、Webサービス、プロトタイプ開発において、その迅速な開発能力が大きな利点となります。
4. PHP
PHPは、動的なWebページを生成するために広く使用されるスクリプト言語で、特にコンテンツ管理システム(CMS)を構築する際に利用されることが多いです。
メリットは以下の通りです。
簡単に始められる
PHPは他の言語に比べて学びやすく、Web開発初心者にも扱いやすい言語です。また、ホスティングサービスが広く提供されており、Webサイトの立ち上げが容易です。
高い普及率とサポート
PHPは非常に多くのWebサイトで利用されており、特にCMS(WordPressなど)やeコマースプラットフォーム(Magentoなど)で広く使われています。このため、PHPに関するリソースやサポートも豊富です。
PHPは、特に中小規模のWebアプリケーション、ブログ、eコマースサイト、そしてコンテンツ管理システム(CMS)を使用する場合に理想的です。
5. Go(Golang)
Goは、Googleが開発した高パフォーマンスなプログラミング言語で、特に並行処理に強みを持ち、スケーラビリティが求められるシステムに最適です。
メリットは以下の通りです。
高いパフォーマンス
GoはC言語に似たパフォーマンスを提供し、大規模なシステムでも高速な動作が求められる場合に理想的です。また、軽量であり、効率的なメモリ管理が可能です。
並行処理の容易さ
Goは「goroutine」と呼ばれる軽量スレッドを使用して、並行処理を簡単に行うことができます。これにより、高トラフィックを処理するWebアプリケーションやリアルタイムシステムに適しています。
シンプルな文法
Goはシンプルな構文と自動メモリ管理機能を備えており、他の言語よりも簡単に学ぶことができます。
Goは、特にマイクロサービスアーキテクチャや高性能を要求されるリアルタイムシステム、並行処理が重要なWebアプリケーションで活躍しています。
バックエンドエンジニアの年収はどのくらい?

バックエンドエンジニアは、システムやアプリケーションの背後で重要な役割を果たしています。これらのエンジニアの年収は、経験やスキルのレベル、さらには勤務地によっても異なります。
以下では、バックエンドエンジニアの平均的な年収、経験年数やスキルセットによる違い、地域による給与の違い、そして今後の年収の見通しについて詳しく解説します。
1. バックエンドエンジニアの平均的な年収
日本国内におけるバックエンドエンジニアの年収は、おおよそ500万円~700万円程度が一般的です。もちろん、これは平均的な範囲であり、実際にはその範囲を超えることもあれば、逆に下回ることもあります。
年収は、経験年数、スキルの深さ、さらには働いている業界や企業の規模にも影響されます。
経験が浅いエンジニアの場合、年収は約400万円前後となることが多いですが、経験を積んだ中堅エンジニアになると、年収は600万円以上に達することが多く、さらに高いスキルを持つエンジニアになると、700万円を超える場合もあります。
2. 経験年数による年収の差
バックエンドエンジニアの年収は、経験年数によって大きく異なります。
初めてエンジニアとして働く場合、業務に慣れるためには時間がかかります。そのため、経験が1年未満のエンジニアの場合、年収は比較的低い傾向があります。多くの場合、400万円~500万円の範囲であることが多いです。
3〜5年の経験を積んだエンジニアは、より独立してシステムの開発や運用を行うことができ、年収も上昇します。この段階では、600万円程度が一般的な範囲となります。
また、5年以上の経験を持つエンジニアになると、プロジェクトの管理やシステムアーキテクチャの設計、さらにはチームリーダーとしての役割を担うことが多く、年収は700万円以上となることが通常です。
10年以上の経験を持つバックエンドエンジニアは、非常に高いスキルと深い知識を持っており、リーダーシップやアーキテクチャ設計を担当するため、年収はさらに高くなります。こうしたエンジニアは、1,000万円を超える給与を得ることもあります。
年収は、あくまでも目安です。企業や経験年数、スキルレベル、業務内容によってさまざまです。
3. スキルに基づく年収の違い
バックエンドエンジニアの年収は、その人の技術スキルや専門知識にも大きく依存します。
特定のプログラミング言語やフレームワークに精通していたり、クラウドサービスやコンテナ技術(例えば、AWS、Azure、Docker、Kubernetes)を熟知しているエンジニアは、より高い年収を得やすいです。
Java、Python、Goなどの人気のあるバックエンド言語に強みがあるエンジニアも、高い給与を得ることが多いです。
また、データベース設計や運用のスキル、セキュリティ知識、さらにDevOpsやCI/CDの実装能力を持っているエンジニアは、特に需要が高く、その分給与も上昇します。
例えば、マイクロサービスアーキテクチャの設計や実装に関わるスキルを持つエンジニアは、高い年収を得ることが可能です。
一方で、一般的なバックエンドの開発作業だけをこなすエンジニアは、これらの高度なスキルを持つエンジニアに比べると、年収が若干低くなる傾向があります。しかし、継続的にスキルを向上させることにより、年収アップを狙うことができます。
4. 地域ごとの年収の差
バックエンドエンジニアの年収は、地域によっても大きく異なります。特に日本のような地域差が大きい国では、都市部と地方で年収の差が見られます。
例えば、東京や大阪などの都市圏では、IT企業が集中しているため、バックエンドエンジニアの需要も高く、それに伴って年収も高くなる傾向があります。
東京では、特に年収600万円以上が一般的であり、エンジニアにとって魅力的な地域と言えます。一方で、地方では、都市部ほど給与水準が高くない場合が多いです。
しかし、地方でもリモートワークの普及により、都市圏と同じ給与を得ることができる場合も増えてきました。特に、テレワークを提供する企業や、IT関連の企業が地方に拠点を構えることも多くなり、年収格差が縮まってきています。
バックエンドエンジニアの求人事情と需要

バックエンドエンジニアは、アプリケーションやシステムの中核を支える重要な役割を担っています。
そのため、現在の求人市場においても、バックエンドエンジニアの需要は非常に高まっています。企業がデジタル化を進める中で、バックエンドに関する専門知識を持つエンジニアの役割は、今後ますます重要になることが予想されます。
近年、バックエンドエンジニアの求人は増加しています。特に、IT業界やスタートアップ企業においては、その需要が急速に拡大しています。
日本国内においても、バックエンドエンジニアの求人が増えており、特にクラウドインフラ、データベース管理、そしてマイクロサービスに精通した人材が求められることが多くなっています。
例えば、リクナビNEXTやIndeedなどの求人サイトでは、バックエンドエンジニアの募集が多数掲載されており、企業が進めるデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として、AIや機械学習を扱うプロジェクトの求人も増えている点が特徴です。
また、リモートワークの普及により、地理的な制約がなくなり、求人の選択肢が全国的に広がっています。これにより、都市部だけでなく、地方でもバックエンドエンジニアの需要が増加していることが分かります。
未経験からバックエンドエンジニアになれるか?

バックエンドエンジニアは、アプリケーションやシステムの基盤を支える非常に重要な役割を担う職種ですが、未経験者がこの分野に挑戦することは十分可能です。
プログラミングスキルやシステム設計を学ぶことで、未経験からでもバックエンドエンジニアとしてキャリアを築くことができます。
しかし、実際には学習の過程や実務経験を積むための努力が必要です。
以下では、未経験からバックエンドエンジニアになるための学習方法や、実務経験を得るためのステップ、初心者が陥りやすいミスとその回避方法について紹介します。
1. バックエンドエンジニアに必要なスキル
バックエンドエンジニアには、システム設計、データベースの管理、APIの開発、セキュリティ対策など多くの専門知識が求められます。
以下のスキルを学ぶことが、バックエンドエンジニアとして成功するための基盤となります。
プログラミング言語
バックエンド開発において最も重要なのは、プログラミング言語の習得です。以下の言語は、特にバックエンドエンジニアに求められることが多いです。
- Python:シンプルで初心者に優しく、Web開発やデータ処理、AIなどに幅広く使用されます。
- Java:大規模システムやエンタープライズアプリケーションで使用され、オブジェクト指向プログラミングを学ぶのに適しています。
- Ruby:特にWebアプリケーション開発に人気があり、Ruby on Railsフレームワークは学習が簡単で実務にもよく使われます。
- PHP:主にWebサイトの開発で使用され、コンテンツ管理システム(CMS)やeコマースサイトで多く利用されています。
最初に1つの言語を選び、その言語に特化して学ぶことが効果的です。
データベースの知識
バックエンドエンジニアは、データの管理や運用を担うため、SQL(MySQL、PostgreSQLなど)やNoSQL(MongoDBなど)に関する知識が必要です。
データベースの設計、最適化、クエリ作成など、実際にデータを扱う能力が求められます。
サーバーとインフラ
サーバーやインフラの基本を理解することも、バックエンドエンジニアには欠かせません。
特に、クラウド技術(AWS、Google Cloud、Azureなど)を活用したシステム構築が一般的になっています。これらのサービスを使ったシステム管理やデプロイメント方法を学びましょう。
2. 学習の進め方とステップ
未経験からバックエンドエンジニアを目指すための学習方法について、以下のステップを参考に進めていきましょう。
ステップ1: プログラミングの基礎を学ぶ
最初に取り組むべきは、選んだプログラミング言語の基本を学ぶことです。
まずはオンラインプラットフォーム(Udemy、Codecademy、Progateなど)や書籍を活用し、基礎的な文法やプログラムの流れを理解します。最初の目標は、簡単なプログラムを自分で書けるようになることです。
次に、簡単なアプリケーションを作ることで、プログラムがどのように動作するのかを実感しながら学びます。例えば、コンソールアプリケーションや簡単なWebアプリケーションを作成してみましょう。
ステップ2: データベースの基礎を学ぶ
プログラミング言語を学んだ後は、データベースを学びます。
SQLを使ったデータ操作の基本(CRUD操作)を学び、実際にデータベースを設計し、クエリを実行してみましょう。自分の作成したアプリケーションにデータベースを組み込むことを目指します。
ステップ3: 小さなプロジェクトを作成する
基礎を学んだ後は、実際に小さなプロジェクトを作ることが非常に重要です。
自分のスキルを試すために、シンプルなWebアプリケーションやAPIを作成します。例えば、タスク管理システムや個人ブログなどを作成し、実際に動作させることが経験を積むための第一歩です。
ステップ4: 実務経験を積む
学習を進めながら、インターンシップやアルバイトを活用して実務経験を積むことも大切です。実際のプロジェクトに参加し、バックエンド開発の現場で必要なスキルを習得します。
未経験者向けのインターンシップやジュニアエンジニア向けの求人も増えているため、積極的に挑戦しましょう。
3. 初心者が陥りがちなミスと注意点
未経験者がバックエンドエンジニアになる過程で、いくつかのミスを避けることが重要です。
ミス1: 理論ばかり学んで実践が不足する
理論だけで学び続けるのではなく、実際に手を動かしてコードを書き、プロジェクトを作成することが大切です。
プログラミングスキルは実践によって向上します。学んだ知識をすぐに活用できる環境を作り、実務に近い経験を積みましょう。
ミス2: 最初に難しいものに挑戦しすぎる
最初から高度なフレームワークや複雑なプロジェクトに挑戦しすぎると、挫折しやすくなります。
基本的なプログラミングの理解が固まる前に難易度の高い課題に挑戦するのは避け、徐々にステップアップすることが重要です。
ミス3: コードの品質を軽視する
動くコードが書ければそれで良いと思ってしまうことがありますが、バックエンドエンジニアはコードの品質を維持することが求められます。
可読性の高いコードを書く、コメントを入れる、リファクタリングを行うなど、品質面にも意識を向けましょう。
まとめ
バックエンドエンジニアは、システムの中心的な部分を担い、アプリケーションが正確に動作するための基盤を作り上げます。求められるスキルは多岐にわたりますが、特に論理的な思考力や問題解決能力、細部への注意が重要です。
未経験者でも、必要なプログラミング技術やデータベースの知識を学び、実務経験を積むことでバックエンドエンジニアとしての道を開きます。しかし、仕事の難易度やストレスを考慮したうえで、自分に合ったキャリア選択をすることも大切です。
最終的には、自分の強みと意欲を活かして、バックエンドエンジニアとして成功を収めることができます。