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トレハロースの効果や評判を知る!大量生産に成功した林原を独占調査

最終更新日:2018-08-29
トレハロースの効果や評判を知る!大量生産に成功した林原を独占調査

トレハロース」という言葉を聞いたことはありますか?

トレハロースはお菓子やパン、お弁当などに含まれる糖質の一種。砂糖のわずか38%の甘味度でスッキリとした味わいを楽しめるだけでなく、熱や酸に対する高い安定性やでん粉の老化抑制、保水性、たんぱく質の変性抑制などさまざまな効用を持つ夢の糖質です。

そんなトレハロースの量産化に世界で初めて成功した会社が株式会社林原。

今回はそんな林原の研究開発の秘密に迫ります!

株式会社林原とは

株式会社林原は、バイオを中心とする高度な技術を核にして、食品原料・化粧品原料・医薬品原料などを製造する素材メーカーです。

その中でも特に有名な商品が機能性糖質「トレハロース」。

これは単なる甘味料を超えて、でん粉の老化抑制、保湿作用、たんぱく質の変性抑制作用、冷凍耐性、日持ち向上などさまざまな機能を備えています。

このほかにも、糖転移ヘスペリジン、プルラン、イソマルトデキストリンなど数多くの食品素材・健康食品素材・化粧品素材・医薬品素材・機能性色素を研究開発・製造しています。

設立の経緯と歴史

1883年、岡山市の旭川のたもとで創業した水あめ製造業「林原商店」が始まりです。

旭川は岡山県の中央を流れ、瀬戸内海に注ぐ一級河川。当時は、この河川の水運を利用した物流が盛んで、ほとりには岡山平野で収穫されたお米が出荷のために集められていました。ここで余剰になった端数米などを引き取って、水あめを製造していた商店が「林原商店」です。

1935年、林原は水あめの製造を化学的に研究し、酸麦二段糖化法(でん粉を酸で液化し麦芽で糖化する技術)によるおいしい水あめの製法を開発。工場を拡張しなから、1950年には日産6,000缶(150トン)の日本一の水あめ工場に成長し、1961年には、酵素糖化法(酵素によってでん粉を分解する方法)によるぶどう糖製造の工業化に成功。現在の酵素・微生物を利用してでん粉から機能性糖質を製造する「バイオの林原」の礎(いしずえ)を築きました。

さらにその後、抗がん剤インターフェロンなどの生理活性物質の工業的製造法も開発し、地方のバイオベンチャーとして注目を集めました。

近年では、トレハロースや安定型ビタミンCなどの大量生産に成功するとともに、2012年より化学品商社・長瀬産業を核とするNAGASEグループに加わり、生産体制を整えるとともに、より一層の研究開発と海外展開を目指して事業を推進しています。

バイオメーカーって何?

バイオとは「生物」「生命」を表す言葉。

「バイオテクノロジー(生物の持っている働きを人びとの暮らしに役立てる技術)」など名詞の頭につけて使うことが多いです。バイオメーカーも同じく、生物や生命が保有するする力を利用した、バイオテクノロジーを用いて新しい商品を開発するメーカーのことを指します。

どんな商品や技術を持っているの?

以下、株式会社林原が開発・製造している商品の一部です。

1.トレハロース

トレハロースの説明画像

最も有名で、主力商品となっている機能性素材。

ただ甘いだけの甘味料ではなく、保水性やでん粉老化抑制、たんぱく質変性抑制などさまざまな機能を兼ね備えています。お菓子やドリンク、レトルト食品や冷凍食品などの加工食品だけでなく、基礎化粧品、医薬品、臓器移植時の臓器保存液、クワガタなどの餌となる昆虫ゼリーなどにも利用されています。

2.糖転移ヘスペリジン

糖転移ヘスペリジンの説明画像

かんきつ類に含まれるヘスペリジン(ビタミンP)を酵素反応によりブドウ糖と結合させた物質。

糖と結合させたことで水溶性が約10万倍高まり、体内への吸収率を大幅にアップさせました。他にも中性脂肪の数値を下げたり、超悪玉コレステロールの生成を抑制して動脈硬化を予防したりするなどの機能があります。

3.プルラン

プルランの説明画像

糸状菌の一種、オーレオバシディウム・プルランスが水あめを原料にして作り出す水溶性の多糖です。

水に溶けやすく、安定性が高く、潤滑性・粘着性・接着性・固結性・付着性・皮膜性・成形性などの特性を保持しています。2000年、プルランを使用した口中清涼フィルムをカナダやアメリカで発売し、年間数百億円を超える大ヒット商品となりました。

主力商品「トレハロース」とは

トレハロースとは、自然界に存在する糖で、椎茸やエリンギなどのキノコ類に多く含まれることからマッシュルーム糖とも呼ばれています。

砂糖のわずか38%の甘味度という、後を引かないスッキリとした甘みだけでなく、熱や酸に対する高い安定性やでん粉の老化抑制、保湿作用、たんぱく質の変性抑制作用などさまざまな機能を兼ね備えているため、ケーキやパン、お餅やお団子などの和菓子、お弁当、ドリンク、冷凍食品、レトルト食品など私たちの身近な食品の中にたくさん使われています。

食品以外にも、各種の基礎化粧品など化粧品、医薬品に用いられているほか、近年では肥料や飼料の成分としても活用できるのではないかと用途開発が進められています。

調味料として、レストランや施設、家庭でも利用でき、高齢社会となった日本では、食品の柔らかさや滑らかさを保つ作用やインスリン刺激性の低さ、たんぱく質との反応性の低さから、より利用しやすい良質の糖質栄養源としての活用も期待されています。

世界初!トレハロースの大量生産に成功した秘密

さまざまな機能と可能性を備えている夢の糖質・トレハロースですが、当初は大量生産は困難と見られていました。

1990年代初め、当時まだこれといったヒット商品がなかった林原では、「新しい糖質を見つける」という特命のもと、スタッフたちは昼夜を問わず開発に励んでいました。

土壌中の微生物が産生する酵素をでん粉に作用させて、新たな糖質を発見するという作業を繰り返していました。

そんな中、幼い頃から理科好きで、根っからの学者肌であった入社3年目の丸田研究員が2000種を超える土壌を調べるうちに偶然みつけたのが、トレハロース生産酵素を産生する菌です。

以降、丸田研究員を中心に、それまで不可能と思われていた、でん粉からトレハロースを作り出す製法に挑戦し続けました。

その結果、林原は世界で初めてトレハロースの量産化に成功

1995年には市販化され、現在では食品分野に限らず、医薬品や化粧品、飼料・肥料、工業用素材、文化財保護といった分野にまで利用されています。

トレハロースが一押しの5つの理由

では、なぜトレハロースは「夢の糖質」と呼ばれているのでしょうか?

その機能性について詳しく解説します。

1.でん粉の老化を抑制してくれる!

ご飯やお餅、パンなどは時間が経つと固くなってしまいます。それは、でん粉の分子の間から水が失われて「老化」するためです。

トレハロースは、水を保持してくれるので、老化を抑制してくれます。

2.保水性が高い!

トレハロースには乾燥を抑制する作用があるため、食品の水分が安定し、しっとりとした食感を保つことができます。

3.ふわっとした食感をつくれる!

トレハロースはメレンゲの気泡を安定させることで、ケーキなどにふわっとした柔らかい食感を与え、ボリュームを出すことができます。

4.冷凍・解凍時のダメージを抑制できる!

冷凍しても味や食感が変化しにくいため、冷凍食品によく利用されています。

食べものが硬くなったり、乾燥したりといった冷凍によるダメージを抑えてくれるのです。

5.甘さ控えめを実現できる!

トレハロースの甘味度は砂糖の38%。日本人好みのスッキリとした上品な甘さです。

また、甘さが控えめのため、前述した機能を目的にいろんな食品に利用しやすいと言えます。

株式会社林原が目指す先とは

林原が開発したトレハロースは、優れた能力と、多様な機能を有しているため、上手に利用すれば、新しい商品や分野での活躍が大変期待できる素材です。そのため、機能研究や用途開発を行う研究員や、ユーザーの課題解決に当たる営業マンも、非常に面白く、やりがいを感じながら仕事に励んでいます。

また林原にはトレハロース以外にも、自社で大量生産法を開発した独自素材の商品が数多くあります。どれも独自の製品のため、最も効果を発揮できる使用方法のノウハウも併せて伝えており、またトレハロースの優れた特性を、一般家庭でのお菓子作りや料理にも生かしてもらうため、誰でも購入できる小売り品をネット販売(http://www.hayashibara-eshop.jp/)しています。

将来的には、より多くの製品を直接お客様に届け、一人でも多くの人に幸せで健康的な生活を提供できることを目指しています。「株式会社林原の社員より」

今後の新規事業計画は?

現在、林原が特に注力しているのが以下の商品です。

1.イソマルトデキストリン

2015年に販売開始した水溶性食物繊維で、整腸作用をはじめ、血糖値の上昇抑制や脂肪吸収抑制などの機能を有しています。

今後の林原のグローバルな主力製品となり得る存在で、現在もっとも販売に注力している商品の一つです。

2.モノグルコシルヘスペリジン

ミカンの皮などに含まれるヘスペリジンというポリフェノールの一種に糖を結合させることで、水溶性を約10万倍に高めた物質です。

近年の特定保健用食品や機能性表示食品に血中中性脂肪の低下や血流促進などの関与成分として採用され、需要を伸ばしています。

まとめ

株式会社林原や、林原が開発した機能性糖質「トレハロース」について理解できましたか?

私たちがお菓子やドリンク、お弁当、冷凍食品、レトルト食品などを美味しく食べられたり、化粧品や医薬品などを安全に使えたりするのは林原のおかげだったのです。

林原では、他社がやらない、手掛けていない、独自の素材開発をテーマにしており、研究者たちは、そうした新たな素材にかかわれることを喜びに感じています。また社内では女性が多く働いており、皆さん母親として家族やお子さんに誇りを持って自社製品について伝えている姿が印象的でした。

私たちの生活を大きく変えてくれたトレハロース。今後、食事の際は「こんな食品にもトレハロースが含まれているんだ!」とぜひチェックしてみてくださいね。

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